イロハ設計室 ブログ

京田辺の家(新築)

しっくりくる場所 土地が決まる前の早い段階で ご相談いただけましたので、 一緒に現地に赴く事に、、、 専門家としての検討項目はもちろんありますが、 敷地情報だけではわからない 「しっくりくる場所」があります。 見学中に、自然と子供たちが遊びだす光景に 自分たちの住まう姿をイメージする事が出来たと おっしゃられていたのが印象的でした。 フィーリング グッド 好みや感性が合うかは、とても重要です。 これは形ある商品を購入する買物と大きく違う特徴です。 お家づくりは、お客様のぼんやりと持っている やりたい事、好きな事をひろい上げて、形を作っていく ある意味、共同作業となります。 ファーストプランの説明の時から、私たちの意図を理解いただき 共感をもってもらえていると感じましたので、 よいお家が一緒に作っていけるとワクワクしておりました。 なにせ、ホメ上手なYさんなので、 こちらもついついノリノリに話がはずみます。 とことん納得してもらう 設計意図や形状、見え方を伝えるには、いろいろな方法を使います。 パースを確認しながら、お家ができた後の生活について イメージをどんどん膨らませてもらいます。 気に入る部分、そうでない部分、 なんでこうなるの? できたらこうしたい! ここがいいよね~~♪ 打合せの会話の中で、ここでしかない形が生まれます。 この段階で言い合える関係こそが、 私達の目指す、お友達のような存在です。 楽しんで決めていきましょう 計画がまとまってきたら、模型でチェック!!! 【すでにいい感じ】です。 計画が概ね決まりますので、 この時期にショールーム見学に廻ったりします。 写真がないのが残念ですが、 ご家族でワイワイしながら ショールームを巡るのも楽しく、 良い思い出になると思います。 ちなみに、子供達とはこの時期に 友達になれた気がします。 ワクワクの玉手箱ですね 実施設計、各種申請、工事業者選定等の 実務期間をはさんで、 いよいよ工事着手。 地鎮祭の風景です。 普段はにぎやかな子供たちも 神妙に参加してくれています。 工事が始まると監理という業務が始まります。 これは設計通りに施工が進められているかの 確認に加えて、図面では説明しきれない 設計意図などを現場に伝えるものです。 写真は、現場監督さん、大工さんに ああでもない、こうでもないと打合せしている様子です。 工事は順調です いよいよ建物のうち、構造材が組みあがり 躯体工事から仕上げ工事へと移っていきます。 上棟式は、 棟上げまで工事が終了した事を感謝し 無事、建物が完成する事を祈願します。 お姉ちゃんが代表して、お清めのお手伝い。 お父さんと並んで、構造材のチェック 「わあー、大きいな」 関わってくれた人に感謝 よい現場監督 よい大工さん、職人さんに 仕事をしてもらう事は、とても大事な事です。 そして、それは特別な事ではないと思います。 自分の家を建てるのと同じように丁寧に 仕事する事ができる人たちに工事を 進めてもらいます。 良いものを作ろうとする気持ちや姿勢は 伝播していくと感じます。 よいメンバーに恵まれた事に感謝します。 思い出がいっぱい 仕上げ工事も順調に進み、 完成が近づいた時期に 減額案の一つとして、 フローリングの床のワックス掛けを DIYとして、ご家族で行いました。 ありゃりゃ、おてんばさんの足跡が~~ そんなこんなも、良い思い出ですね。 お持ちのダイニングテーブルは、 ご夫婦の思い出の品。 5人家族には少し小さくなりつつあるとの事。 せっかくなので、家具屋さんにリペアしてもらいました。 長く大事に使っていただけると思います。 さよならするのは、つらいけど いよいよ、引渡しです。 長いようで、短い期間、 家づくりを一緒に行い、一区切りになります。 無事に引き渡せた安心感 喜んでもらえる嬉しさ お客さんの役に立てたと感じる充実感 そして、少しの寂しさを感じます。 但し、これはお付き合いの終わりでなく 始まりですので、お友達のような存在として、 私達はいつでも駆けつけますので、 寂しさは少しだけです。

京田辺の家(新築)

ペントハウスアパートメント(リフォーム)

#1 リフォームすべきか、新築すべきか、それが問題だ。 各室の構成については、それぞれの役割はもちろんですが、お互いがつながり、補完関係が働いています。 ですので、リフォームの場合、部分改修で上手くいくケースが非常に少なく、調整力が問われることになります。 リフォームしたにも関わらず、数年で使いにくくなったり、結局再度のリフォームをされるケースが少なくありません。 [caption id="attachment_847" align="alignleft" width="225"] 改修前の廊下[/caption] 私達は、工事する事が目的ではありません。 リフォームする事でくらしが良くなる提案を心がけてますので、リフォームする事が最適な選択であるか判断します。 今回は、しつらえに良い品を使われているのですが、個々の室が分断されている、残念な比較的よくあるケースです。 お客さんのお求めの新しいくらしを実現する為に、フルリフォームで計画を進めることになりました。 [caption id="attachment_848" align="alignleft" width="225"] 解体中、廊下付近[/caption]     #2 建物によいも悪いもない、使う人によって良くも悪くもなる 計画を進めるには、慎重に現況を確認する必要があります。 平面形状はもちろんですが、断面・設備機器の状況・外部空間との取合い等を確認したうえで、最適な改修計画を丁寧に模索し提案します。 [caption id="attachment_849" align="alignleft" width="225"] 既存、新玄関付近[/caption] ある程度の想定はして計画を進めますが、それでも意外な対応や、想定以上の劣化が判明する事も少なくありません。 リフォーム工事には、特に資格者が設計する必要のないケースも多くありますが、むしろ改修工事にこそ、綿密な計画や対応力が問われます。 今回は、EVピットが既存図面よりも大きかった事などの事象もあり、計画修正の対応が必要となりました。 [caption id="attachment_850" align="alignleft" width="225"] 解体状況、EVピット前[/caption] #3簡潔こそ、設計の神髄 現況を把握する事に並行して、新しい暮らしぶりについて、いろいろなお話を聞かせていただきます。 家族構成や欲しいお部屋は、もちろんですが、普段のお家にいられる時間帯、好きなもの、趣味、休日の過ごし方や現在のくらしの不満、持ち物、将来の夢など、一見家づくりには直接関係のないと思われるものも含めて、いろいろとお話を聞かせてもらい、計画をブラッシュアップします。 [caption id="attachment_852" align="alignleft" width="225"] 新玄関前、施工中[/caption] 不思議なもので、良い計画であるほど、形状はシンプルなものになる傾向があります。 もちろん、住まう人が主役である事を常に忘れず、自己満足に陥らないように心掛けています。 [caption id="attachment_865" align="alignleft" width="225"] 新玄関収納、軸組工事[/caption] 外収納や広めの玄関収納などは、お持ちのものや、現在のくらしの不満から、提案させていただきました。 又、白に統一されたLDKやスタイリッシュな洗面室は、ホテルのようなお家と希望されたイメージからコンセプトとなりました。 #4 答えは今来なくても、いずれ来る 設計業務が完了した後は、工事業者の選定、見積依頼に進む事になります。 大幅な設計変更が生じないように、総予算を考慮しつつ、既存利用の範囲やコストパフォーマンスに見合う工法の検討も行う事になります。 [caption id="attachment_851" align="alignleft" width="225"] 新LDKから洗面室方向[/caption] 今回、外部開口部については、計画に影響しない範囲で、既存開口の利用を心がけ、コストについて配慮しております。 [caption id="attachment_855" align="alignleft" width="225"] 外壁開口部の補修後[/caption] #5 計画も大事だが、なかには守るより破ったほうがいいものもある 工事監理は、設計意図を施工者に、いかに上手に伝えるかの答え合わせの側面があります。 【住まう人にとって、何が一番であるか】 現場で、最適な方法を、ああでもないこうでもないと打合せする事は、(本来は答えを決めておくべきかもしれませんが)私の好きな時間であり、新しい発見が生まれる瞬間です。 [caption id="attachment_866" align="alignleft" width="225"] キッチン+造作家具[/caption] 造作家具は、使う人の動きや、什器・コンセント・照明位置などについて、最終的には現場で確認して決めます。 #6 その後の生活 お家は、住まわれる方の為のものでありますので、引渡し直後ではなく、長く愛着をもって暮らしていく事が一番です。 しばらく住まわれた後に、招待いただき、たくさんの良かった事、少しの悪かった事について、ザックバランにお話しできる関係になれれば幸いです。        

ペントハウスアパートメント(リフォーム)

土間の家(リフォーム)

#1 キッカケ それは、一本の電話から始まりました。 「母の体調が芳しくないので、施設に入るまでの間、不自由しない程度に実家をリフォームしたいんやけど」 電話の相手は、古くからの友人であるOさんでした。 お話をよく聞くと、お父さんを亡くされてから一人暮らしをされているんですが、足の具合が少し悪く、今のままの お家の状態では、家の中での移動にもお困りとの事でした。 「詳しい話を聞かせてもらう為に、一度会って話しよ」とお答えし、さっそく打合せする事にしました。 #2 一安心 深刻な状況を覚悟しながらの顔合わせ 場合によっては、最低限のリフォームにとどめて、後の施設での生活も考慮する必要があるかなと思いながらでしたが、 案外元気そうにされているお顔を見て、一安心。 やはり、移動には少し手間取るものの、まだまだお元気で、久しぶりに思い出話などをさせていただきました。 #3 最適の選択とは 勝手な思いではありますが、お家の中での生活がもう少し快適になり、気持ちに張りを持ってもらえたら、 施設に入らずとも十分に生活できるのでは、と思いながら、打合せを進めていきました。 結果、計画を進めるうちに、リフォーム範囲は広がり1階部分のフルリフォーム計画とすることになりました。 1階スペースでお母さんの生活が完結できる改修案であり、やって良かったと思ってもらえる、最もお薦めの計画です。 Oさんも予定されていませんでしたが、私たちもここまでの計画となるとは、予想を超える計画となりました。 #4 一緒に答えを見つける なかでも、玄関土間空間は、自慢の提案でこの部分を気に入ってくださった事で計画は進んでいく事になりました。 いろいろとお抱えの問題点を聞き取ったうえで、明るく広々とした玄関であり、談話スペースと兼用する事の出来る 土間空間が一緒に見つけることのできた共通の答えとなりました。 ご近所さんたちとのお話スペースとして、利用してもらいどんどん元気を注入してもらえればと思います。 #5 悪戦苦闘 工事については、苦労する事も多くありましたが、工務店さんの協力の元、無事に引き渡すことが出来ました。 リフォームの奥深さを改めて勉強する事となる時間でしたが、その話は、又の機会に! [caption id="attachment_718" align="alignnone" width="225"] 解体工事後のリビングスペース[/caption] [caption id="attachment_719" align="alignleft" width="225"] 耐震補強した柱(根継ぎといいます。)[/caption] [caption id="attachment_720" align="alignleft" width="225"] 木軸工事中 リビング部分[/caption] [caption id="attachment_721" align="alignnone" width="225"] 内装工事中 リビング部分[/caption] #6 新生活 引渡しの後、ご挨拶に伺った時、玄関脇のお花を植え替えをされていて 「お花の手入れをしたんです」っておっしゃられていたのが、印象的でした。 お家をリフォームする事で、 【快適な生活とおだやかな心が持てる】 そんなお手伝いができたのかなと思える瞬間でした。 小さな感動がそこにありました。

土間の家(リフォーム)

亀岡の家(新築)

#1 「家を建てよう!」 ナオはいつものようにトラックのハンドルを握り、いつものように荷物を運んでいた。 しかしいつもと違い少しだけスピードがあがっている。その行き先が受付のエリがいる得意先だからだ。 何度か荷物を届けるうちに、その笑顔と「いつもお疲れ様!」という言葉にナオはやられてしまっていた…… 二人が付き合い、結婚することはごく自然な流れだった。 結婚すれば一番最初に出てくる問題は 愛のすみかをどうするか? である。 当然のごとく二人もその問題を話し合った。 ナオは独身時代ワンルームマンションで一人暮らしをしていたので、賃貸マンションという選択肢も特に違和感がなく、何となく普通にそうするものだと思っていた。 しかしエリは商売をしている実家暮らしのため、マンションという考えはなく、金銭的なことを考えても、毎月の家賃を支払うぐらいなら資産となる一戸建てを持ちたい、という想いがあった。 「それもそうやな…」とナオは頭の中で自分の給料を計算しながら弱弱しく返事をした。 「…よっしゃ、家建てよ!」 二人の 家物語 が始まった。   #2 「誰に頼む?」 ナオとエリは悩んでいた。 「家ってどうやって建てるん?」「何から始めたらええんやろ?」 「土地無いと建てれへんやん」「建売はいややしなあ」 「お金どれくらいかかるんやろ?」…… 覚悟は決めたものの、二人からでてくる言葉は疑問符ばかり。 特別なこだわりがあるわけではないが、せっかく建てるなら自分達らしいオシャレな家に住みたいし普段の生活を楽しみたい。大きな借金をして家を購入するのだから余計に悩むところだ。 「誰か全部教えてくれる人いいひんかなあ…」 ナオはふと一人の男を思い出した。 「そや!設計やってるケンチクさんに相談してみよ」 「大丈夫なん?工務店とかの人と違うやろ。不動産屋さんでもないし… 高いんちゃうん」 「いっかい話聞いてみよ」 不安と期待をかかえながらも会う決心をした。 ナオは少し落ち着いたのか、片手にはキンキンに冷えたビールを握っていた。   #3 「とりあえず相談です」 ナオとエリは何を質問していいかさえもわからなかった。 「とりあえず相談です…」「どうしたら希望の家ができるのでしょうか?」 そんな感じで始まったが、何となくのせられて考えられる全ての悩みを打ち明けた。 二人には悪いが、ケンチクさんはそれらを全て聞き終えるころにはすでにワクワクしていた。 なぜなら二人の悩みはひとつづつ道筋をたてて進めていけば解消できるものばかりだし、近い将来二人の楽しそうな笑顔を容易に想像できたからだ。 予算の問題は、毎月返済可能な住宅ローンの金額や自己資金の額、将来の蓄えなどを考慮して、土地の費用建築費用諸経費などの配分をおおよそ予測した。 土地の問題は、希望の立地や広さはもちろんだが、それにかけられる費用とのバランスだ。 ナオはその当初、漠然と駅近である程度広くて…と希望していたが、その駅周辺は結構お高く手が出そうにない。 しかし、ケンチクさんの話を聞いているうちに、仕事柄、駅に近い必要がなく将来子供たちがノビノビ暮らせることの方が大事だと気付いた。 家のことにいたっては、間取りがどうとか、部屋が何室欲しいかとか、キッチンのメーカーはどこがいいとか…… ケンチクさんからそんな話は一切ない。 二人の趣味や、将来のこと、図々しくもふたりの馴初めまで聞いてくる始末だ。 (この人、ほんまに建築士?) と二人同時に思いながらも、最初の不安はどこかに消え、なぜかワクワクしていた。 #4 「変な土地」 ナオとエリとケンチクさんは、ある郊外の山手で開発された住宅地の中にいた。 最初は想像もしていなかったところだが、閑静な住宅地で、近くに自然が広がる静かな場所だ。 「ここ、なんか気持ちええな」 ナオとエリの第一印象だ。 その中でも、少し価格が高いが道路が水平で建てやすそうな普通の土地を見ていた。 しかし、ケンチクさんのお勧めはそこではなく、30mほど離れた場所で、 価格は安いが道路に多少の傾斜がある一見使いにくそうな土地。 二人はまたまた思った。(たしかに安いけど、この人大丈夫かいな) 日当たりや風通しのこと、傾斜を利用したおおよその家の感じ、そして何より、遮るものがない、ほど近い山の借景を手に入れられることの説明を聞き、 一見変なその土地に、一気に気持ちが傾いたのである。 「安いし、何か期待できそうやし、ここが良いかもな!」   #5 「家づくり始まる」 ナオは三度の飯よりお酒が好きだ。決してアル中ではないが、せっかくなら休みの日には気軽に屋外でお酒を飲みたいと思っている。 叶うとは思わないが、最近始めたゴルフの練習や体を鍛える場所なんかもあれば最高だろうなあ、と想像を膨らましていた。 エリは子供のいる生活を想像していた。ナオや子供の顔を見ながら料理ができればどんなに楽しいだろう。パソコンが使えるコーナーもあったらいいなあ。 片付けは得意じゃないから収納は多い方がいいし、毎日の洗濯も楽にできたらなあ。 希望はそれぞれ違うが、これだけは同じだ。 『明るくて、家族が皆楽しめる家』 二人ともケンチクさんには想いを伝えたつもりだが…… そんな時、リンリン!と電話がなった。 心なしか楽しそうな音に聞こえる。 「プランができましたよ!」 ケンチクさんからだ。 ナオとエリは期待で胸がいっぱいで 一刻もはやくプランとやらを見たくなった。 #6 「スキップフロア」 「なんじゃこりゃ~!」 ナオとエリは、どう表現していいかわからなかった。 何となく頭の中で間取りを想像していたが、自分達が想像していたものを超えるプランが出てきたからだ。 一番びっくりだったのが、半地下の部屋があり、それぞれのエリアにほどよく段差がついていることだ。 これは専門用語で『スキップフロア』というらしい。 半地下の部屋は、ナオの趣味部屋を想定していて、 ダイニングキッチンとリビングが段差により緩やかに区切られている。 そしてその段差を利用して収納とパソコン机がついているのだ。 また、土地の傾斜をそのまま利用することで施工費も抑えられるとの説明を受けた。 「こっ、これはええな!!」 二人はケンチクさんがこの一見変な土地を勧めた理由がわかった。 そして二人のワクワクが止まらなかった。『帰ってビール飲も!』   [caption id="attachment_168" align="alignnone" width="300"] 半地下室はご主人の趣味室 …今は子供の遊び場に[/caption] [caption id="attachment_169" align="alignnone" width="300"] 楽しいスキップフロア[/caption]   #7 「楽々家事」 料理・洗濯・掃除など、主婦の毎日の仕事は大忙しだ。 給料に換算すると30万円はくだらない金額だという。 エリは料理が嫌いではないが、できれば毎日の家事は楽な方がいいと思っている。 キッチンから洗面所への短い動線、物干しと寝室への動線、 洗濯する~干す~たたむ~しまう 一連の流れを考えた間取りに納得した。 ダイニングとリビングが見渡せるキッチンにも満足だ。 それだけでなく、キッチンから山の景色が見えるのはとても気持ちよさそうだった。 エリにはひとつだけ強い希望があった。 「ミーレの食洗器を入れたい!」 ミーレとはドイツのメーカーで食洗機は日本でも有名だ。 ケンチクさんはそれを叶えるためよく聞く住宅設備メーカーではなく オーダーキッチンを提案した。 キッチン廻りの収納も満足だし、楽(らく)で楽しい家事になりそうだと エリはワクワクしたが、ナオがこのあたりの話に興味を示さないことは少し不満だった。 [caption id="attachment_175" align="alignnone" width="300"] キッチンの反対側には小物を置ける穴あきブロック キッチンに組み込んだオーブンレンジの熱を逃がす役割も[/caption] #8 「最高のリビング」 家事のしやすさはよそに、ナオはリビングのことを考えていた。 『明るくて気持ちいいだろうか?』 『うまいお酒が飲めるだろうか?』 スキップフロアを利用した吹抜けの解放感と、吹抜けの高窓から降り注ぐ光をイメージできた時、 ナオの心配は全くなくなった。 そして、リビングから繋がるベンチ付きの屋外デッキと、デッキから眺める景色を想像し、 いや、美味い肉と美味いビールを想像し、にやけた。 [caption id="attachment_177" align="alignright" width="300"] 空間の広がりと豊かさを与えてくれるデッキ[/caption] ニヤニヤと嬉しそうにしているナオを見ているうちに エリの小さな不満は消えていた。 そして思った。『子供欲しいなあ…』 [caption id="attachment_176" align="alignnone" width="300"] 開放的で光が降り注ぐリビング[/caption] #9 「コウノトリ」 「子供ができました!」 出産予定日は家が完成してしばらくらしい。 その連絡を聞いた時、ケンチクさんは心から喜んだ。 そしてこうも思った。『やっぱり僕はコウノトリ』 今までも何度かあった。家づくりの最中に子供ができることが結構多いのだ。 自分達の家ができる安心感や、家づくりで夫婦が楽しい毎日を過ごしている証拠だとつくづく思う。 家づくりも子づくりも夫婦の愛の証なのである。 プランの時に考えていた2階の部屋の工夫が 思ったより早く活躍しそうだ。 その名も【移動する収納壁】 [caption id="attachment_181" align="alignnone" width="200"] 移動する収納壁(右奥)と 上部のロフト[/caption] 将来の生活の変化にそって、収納壁を移動することで部屋の広さを変えられる。 それだけではなく、だんだんと荷物も増えることを想定し、屋根勾配を利用したロフトも設けている。 リンが誕生し、その後カナが誕生した。 今は4人で仲良く一緒に寝ている。 #10 「心地よさ」 人間の感覚は曖昧なようで意外とするどい。 何となく本物は本物と感じるし、何となく心地よさを感じている。 理屈では説明ができないが、誰にでも好きな場所があるものだ。 特に子供は大人以上に感覚がするどく、 本物に接すれば接するほど感性が豊かになる。 いつも接している床は【北欧パインの無垢材】プリントではない一枚の木。 ところどころに見えている柱や梁も リンやカナの感性を刺激してくれる。 リンはお絵かきが上手で、カナは運動神経が抜群だ! そしてナオはやはり酒が好きだ! [caption id="attachment_182" align="alignnone" width="300"] リビングは最高の遊び場[/caption] [caption id="attachment_183" align="alignnone" width="200"] 階段も遊び場に![/caption] #11 「これから・・・」 1年ほど前に3人で話をしていた時にナオが言っていたことを思い出した。 「サーフボードをどっかに飾りたいなあ」 そう、ナオの楽しみは決して酒だけではない。 体を動かすことが好きな健全な男子だ。 こうも言っていた。 「でも子供できたらサーフィンするかなあ…」 その通りになった。2階の廊下の一角に設けたサーフボードのスペースは、今ではリンとカナのスタディーコーナーと変化している。 このデスクとイスは、ナオの力作だ。 「これええやろー、ようできてるやろー」 ナオの言葉にケンチクさんは素直にうなずいたが、本棚があったらもっといいのにとも思った。しかし、ナオなら簡単に造ることだろう。 そして、これからも末永く幸せに暮らしていくことを確信した。 自慢げなナオと、横で微笑んでいるエリ、そこらで走り回るリンとカナをみて ケンチクさんはまた幸せになった。 end [caption id="attachment_186" align="alignnone" width="201"] スタディーコーナー[/caption]

亀岡の家(新築)